チタン表面におけるサンゴ軟組織の接着と増殖 

syohei

環境省によると2016年から2020年にかけたデータから約9万種の海洋生物の生息地となっている生息地、サンゴ礁は世界の約三分の一が絶滅の危機といった課題が提唱されている。これらの課題を解決するために、断片移植が主に方法としてある。サンゴの成長過程は産卵、受精卵へと成長していき骨格形成にたどり着くと一個体から複数の個体へと再生する。従来の一般的な方法はこの骨格形成の一部2㎝を切り基板に定着させ成長させていた。しかし、切られたサンゴ礁の負担が大きく移植するためのコストも大きい。そこで、骨格表面に分泌するポリプを分泌させ基盤に接着させる「ポリプの分離」を先行研究とした。

ハナヤサイサンゴを塩分濃度35pptから60pptまで上昇させた。すると、ポリプ分離はできたが増殖は確認できなかった。では、どうすれば増殖までたどり着くことができるだろうか?まずは、サンゴの基本的な体系を調べた。

骨とサンゴのアナロジー(類似)は骨格形成のメカニズムだ。骨格物質は異なるが、形成は骨と似ている。また、骨とインプラントの接着率にはチタンよりも酸化させた酸化チタンが接触率約5倍高いことが分かっている。この2つのことからサンゴの接着には酸化チタンが有効ではないかと推測した。陽極酸化処理を行ったチタン棒とサンゴを固定し水槽に設置(飼育)しμ⁻CT(Computed Tomography)マイクロコンピューター断層撮影を用いて実験を開始。ここでステンレス棒にサンゴと酸化チタン棒を固定させたが、ステンレスにはポリプのしたに形成は出来なかった。一方、酸化チタンからはポリプの下に骨格が形成されていることが確認できた。このことからサンゴにも定着率向上には酸化チタンが有効と証明できた。

これらより本実験は「サンゴ軟組織をサンゴ片から取り出し、Ti,TiO₂基との接着性を検討する」ことを目的とした。酸化チタンを用いてサンゴを増殖させるのだ。

まず1つ目。実験方法はアザミサンゴをカットし水分上昇による塩分濃度上昇を24時間行い、アザミサンゴのポリプの分離を試みた。光学顕微鏡OM(Optical Microscopy)で塩分濃度による結果を24時間まで観察した。1つ目は、時間経過により塩分濃度を上昇させたが変化は見られなかった。

2つ目は純Ti板を0.1MのH₃PO₄aqを用いて電圧80Vで陽極酸化させ、酸化していないものと基板密着具合を比較した。結果は目視では接着の確認は出来なかった。が、これからタッピング(軽くたたくこと)で密着具合を評価するという。

疑問に思ったことは、アザミサンゴでなくハナヤサイサンゴでの理由だ。同じサンゴでも異なった結果が出るのには理由があるのだろうか。

質疑応答ではpptが問われていた。ppt₍part per trillion₎は一兆分率だ。つまり1,000,000,000,000分の1だ。海水の濃度は百万分率ppm₍pert per million₎で示される。ちょっと薄すぎたようだ。海水の塩分の単位にはPSU(Practical Salinity Unit)が用いられているみたいだ。海洋学では塩分濃度が絶対塩分と呼ばれ質量に対する千分率pptが伝統に用いられてきた。が、現在は電気伝導度から換算し指標を決めるPSUが一般的だ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

14 + = 15

Next Post

<strong>鋳鉄の消失模型鋳造における</strong><strong>PMMA</strong><strong>模型の熱分解と湯流れ速度に及ぼす模型成分の影響</strong><strong> </strong><strong>要約</strong><strong></strong>

塗型剤を塗装し通気性を向上させた消失模型を埋没させ、溶湯を流し込むとここでは模型体積以上の分解生成物 […]

Subscribe US Now